オーラルフレイル…口の機能の衰え、早めに防いで健康長寿 (1/3ページ)

オーラルフレイルチェック表
オーラルフレイルチェック表【拡大】

  • 東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授

 筋力や認知能力が衰え、気力や活力も落ちてしまう「フレイル(虚弱)」という言葉を聞いたことはあるだろうか。特に最近は口の(オーラル)働きの低下に着目した「オーラルフレイル」対策が注目され、歯科でも試みが始まっている。(津川綾子)

 ◆死亡リスク2倍に

 「オーラルフレイル」とは加齢で口の働きが衰えて、食事中にむせたり食べこぼしたりするうちに、食欲が落ちたり、滑舌が悪くなったりした状態のこと。単なる老化現象とあなどりがちだが、「一つ一つはささいな口の衰えでも、複数が重なり、そのままにしておくと心や体の健康にも大きく影響し、やがて要介護の身となるリスクを高めてしまう」と、フレイル研究の第一人者、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授(老年医学)は注意を促す。

 飯島教授らは平成24年、千葉県柏市で65歳以上の介護を必要としない高齢者約2千人に滑舌や舌の力、かむ力など6項目で口腔(こうくう)機能の状態を調べ、約4年後に健康状態の追跡調査をした。その結果、3項目以上に該当し「オーラルフレイル」とされた人は、正常だった人よりも2・09倍も死亡リスクが高く、要介護になる危険度も2・35倍となった。

続きを読む