主君を代えねば、武士とはいえぬ 7人の主に仕えた“二番手武将”のキャリアアップ (3/3ページ)

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 また、高虎はいわばスーパービジネスマンであり、いわゆるダークサイドスキルとブライトサイドスキルを兼ね備えた人物でもある。ブライトサイドは財務管理などで、彼の場合は築城術や戦闘能力に当たるだろう。ダークサイドは上司や組織のパワーバランスなどを見抜き、人を動かし人間関係をつくるスキルだ。高虎の稀に見る出世はこれらのスキルが支えたといえよう。

 高虎には、主君を選ぶ目利き能力があった。秀吉の時代に安土城の築城などに携わりながら、聚楽第の邸内に家康の屋敷も建設した。その際に高虎が設計変更や自費で門を建築した話は有名だが、これは、将来伸びそうな人物への投資だったともいえよう。

 秀吉没後、高虎は家康に急接近し、7人目の主が家康になった。津藩の領主となった高虎は、伊賀の忍びが乱を起こすなど統治が難しい伊賀の地域を強権的に支配しなかった。伊賀の有力な者を家臣に取り立て、藤堂姓を名乗らせ家老にも登用した。このような“人使い”を巧みに行えたのも、主君を6度代えるなど様々な経験に基づき、適材適所で人を真に生かす道に精通していたからといえよう。

 ▼藤堂高虎に学ぶべきポイント

 1:自身を成長させるために積極的に環境を変える

 2:独自の専門性を磨き、専門家ネットワークを持つ

 3:パワーバランスを見抜き、人間関係を築く

 皆木和義(みなぎ・かずよし)

 経営コンサルタント

 作家・歴史研究家。「盛和塾」東京地区元代表世話人。著書は『不透明な時代を生き抜く名将の戦略』『リーダーの究極の教科書 論語』など多数ある。

 (経営コンサルタント 皆木 和義 構成=山口邦夫 写真=iStock.com)(PRESIDENT Online)