肝炎進むと腸内環境も悪化 名古屋市大など研究グループ発表

 C型肝炎の病状が進むにつれて患者の腸内にすむ細菌の種類が減り、腸内環境が悪化することを確認したと、名古屋市立大と九州大などの研究グループが発表した。

 グループの田中靖人名古屋市立大教授(肝臓学)は「腸内環境を整える善玉菌の投与などで、肝炎の進行や肝がんの発生を抑えられる可能性がある」としている。

 人間の腸内には、約千種類、100兆個を超える細菌がすみ着き、健康に深く関わっている。グループは病状の異なるC型肝炎患者計166人と、健康な23人の便を調べ、含まれる細菌の種類や数を比較した。

 その結果、健康な人では約300種類の主要な細菌が確認されたが、慢性肝炎や肝がんの人では約150種類、肝硬変の人では約130種類に減っていた。これらを発症していなくても、C型肝炎ウイルスに感染している人は、約150種類に減っていたという。

 また、病状が進んだ人ほど、食べ物などに含まれるタンパク質を分解してアンモニアを作り出すレンサ球菌の仲間が顕著に増えていた。

 腸内で発生したアンモニアは通常、肝臓で分解されるが、肝硬変や肝がんの患者では分解されず、血流に乗って脳に達し、肝性脳症の原因となる。レンサ球菌は口の中に多くいるため、グループは、口腔ケアも病気の進行を抑えるのに有効ではないかとみている。