10万人超す日本人妊婦のデータ分析 「痩せ形」推奨値は軽過ぎの恐れ

 妊娠中の体重増加を何キロぐらいにすれば合併症のリスクを最小にできるか。国立成育医療研究センター(東京)などのチームが、10万人を超す日本人妊婦のデータを基に計算したところ、痩せ形の妊婦に対する現行の推奨値は軽過ぎる可能性があることが分かった。妊婦の体重不足は、低出生体重児の増加を招くとの指摘もあり、推奨値の見直しにつながるかもしれない。

 同センターの森崎菜穂室長らは、平成17~23年に日本産科婦人科学会に登録された初産婦、10万4070人の妊娠出産の経過データを研究。妊娠前の体格指数(BMI)によって痩せ形(18.5未満)から肥満(25以上)までの5群に分け、胎児の発育の過不足や早産、妊娠高血圧症などのリスクが最も小さくなる「望ましい体重増加量」を各群について算出した。

 その結果、BMIが大きい方から4群の値は厚生労働省が18年に示した現行の推奨値の範囲内だったが、痩せ形の妊婦の望ましい体重増加量は12.2キロで、推奨値(9~12キロ)を上回った。森崎さんは「痩せ形女性が推奨値を厳密に守ろうとすると、望ましい体重増加をかなり下回るのでは」と懸念する。

 チームに加わった富山大産科婦人科の斎藤滋教授は「現行の推奨値は妊娠高血圧症の予防など妊婦の体重を抑えることに主眼が置かれ、体重が足りないマイナス面はあまり考慮されていない。新しい研究を踏まえ、見直していくことが必要だ。痩せ形の妊婦さんは当面、主治医と相談の上で、体重増加制限については少し緩やかに考えるくらいでいいのではないか」と話している。