【TOKYOまち・ひと物語】“カレーのまち”支える老舗・共栄堂 「料理に完成形はない」 (1/3ページ)

 神田神保町(東京都千代田区)一帯はカレーを出す店がひしめいており、“カレーのまち”ともいわれる。一説にはカレーを提供する店は400店以上あるという。あまたあるカレー店の中でも、最も古くから専門店として営業し、スマトラカレーを提供する「共栄堂」の3代目店主、宮川●久さん(67)に話をうかがった。(※●は泰の異体字)

 創業は大正13年

 共栄堂は地下鉄神保町駅そばの靖国通り沿いにある。通りの向こう側には古書店が軒を連ねる。近くにカレーチェーン店が2店あるほか、同じビルにある洋食の老舗「ランチョン」もカレーを出している。激戦区といっていい。

 その中で揺るぎない地位を保っている共栄堂は大正13年創業。ただ、当時は洋食店でカレーは多くあるメニューのひとつだった。初代にカレーのレシピを教えたのは、広く東南アジアを見聞し、『南洋年鑑』などの著書のある伊藤友治郎という人物。同店のカレーがインドネシアの「スマトラ」カレーなのは、こうしたいきさつがある。

共栄堂店内に飾られている昔の看板

共栄堂店内に飾られている昔の看板

 カレー専門店となったのは昭和50年ごろ。メニューが多くてコストのかかる洋食店では経営が厳しくなったためだという。ただ、カレー専門店になっても経営は芳しくはなかったようだ。

 横浜出身の宮川さんは三十数年前、2代目の娘さんと結婚し3代目となった。

本とカレーの関係は?