新卒大幅不足で転職は売り手市場 特に地方で流動化進む


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 日本では戦後、大手企業で「日本型終身雇用」が定着してきた。日本総研理事の山田久主席研究員によれば、平成の初めにかけてのバブル経済期に一時、転職機運が高まったが、本格化する前にバブルが崩壊し、しぼんだという。

 その後、電機業界をはじめ、名だたる企業が希望退職を募る大規模リストラを断行。「終身雇用神話」が崩れ、働く側の意識も大きく変化した。

 平成10年代後半になると、景気が回復の兆しを見せて再び売り手市場になり、新卒者が大幅に不足。就職氷河期に希望の会社に入れなかった若者がリベンジ転職する「第二新卒」現象が、20年のリーマン・ショックまで続いた。

 山田氏は今後の転職市場について、「ここ数年の景気回復で人材の流動化が全般で起きているが、大手企業は内部昇進者を優遇しており、欧米に比べればまだまだ」と分析する。

 一方、パソナ取締役の久保昭仁人材紹介事業部門長は「新卒者減少の影響が大きく、特に地方企業の中途採用が活発だ。人材紹介事業は地方では成り立たないと言われたが、それだけ地方の人手不足が深刻になっている証拠」と指摘する。