ローカリゼーションマップ

行きつく先は「意味のイノベーション」か ローカリゼーションの位置づけ (3/3ページ)

安西洋之

 だが、ここ最近、ぼくの内にあらたな変化がでてきた。ローカリゼーションと意味のイノベーションを1つの括りで語りたい、という欲求だ。ローカリゼーションマップで、対象市場に適合させたローカリゼーションの行きつく先はイノベーションである、と説明してきた。

 その際、行きつく先としてのイノベーションを、ぼくは意味のイノベーションと称していなかったが、ローカリゼーションの上級レベルが意味のイノベーションとも位置付けられるのではないか。

 ある異文化市場で「受け入れてもらう」ための作法としてのローカリゼーションは、従来のブランド戦略からするとあまり積極的になれなかったことも多い。しかしながら、文化的な押し付けではないイノベーションとしてのローカリゼーションを考えるとき、意味のイノベーションの範疇にある表現・考え方を適用していくとスムーズに展開できないだろうか。

 やや生硬な書き方になっているのは自覚している。この内容はここで初めて書いており、まだ自分でも掴み切れていない。だが、ここで書いておかないとこの先、前進しづらいのではないか、との想いが文章を後押しする。(安西洋之)

【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)

安西洋之(あんざい ひろゆき)上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『デザインの次に来るもの』『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。

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