【書評】『宮沢賢治の元素図鑑』桜井弘・著 豊遙秋写真協力


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 ■科学の観点から読み解く一冊

 小学生の頃、石集めに夢中になり「石っこ賢さん」と呼ばれた詩人、童話作家の宮沢賢治。『注文の多い料理店』などの作品にも石(鉱物)や元素が登場し、元素の数は現在(118)あるうち、使用度1位の銀など45種類にのぼる。

 例えば、〈あをあをと なやめる室にたゞひとり 加里(カリウム)のほのほの白み燃えたる〉など心象風景を表す小道具にもなっている。

 本書は、元素研究の第一人者による元素を通じた作品解説から全元素の解説、豆知識、賢治のシルエット入り周期表、豊富な写真などを収録。科学の観点から賢治作品を読み解いた意欲作だ。(化学同人、1728円)