西日本豪雨で放流量急増、ダムの情報周知に課題   (1/2ページ)

 西日本豪雨では、愛媛県西予(せいよ)市の肱(ひじ)川が氾濫し、逃げ遅れたとみられる人たちが犠牲になった。上流のダムが豪雨で満杯となり、放流量を急増させたことが原因の一つとみられるが、住民には十分に放流情報が届かなかった。ダムの放流で下流河川の水位が上昇し、人が流されるなどの被害は過去にも起きており、専門家は「放流に関する知識を共有し、訓練を繰り返すことが重要だ」としている。

 ダムの管理者は、大雨などでダムの水位が上昇し、貯水能力を超えそうな場合には放流量を増やして調節する。それによって下流河川の流れに大きな変化が生じるときには、上昇する水位の見込みなどを関係自治体や住民らに周知しなければならない。

 ただ、どの程度の水位変化があるときに周知するかや、周知のタイミングに統一基準はなく、各ダムの管理者が決めている。

 今回、西予市の野村ダムでは、7日未明に貯水能力の8割以上に達したため、午前6時20分にダムへの流入分と同量を放流する緊急放流を開始。放流量はそれまでの数倍に急増し、数十分後に肱川が氾濫した。

 国交省四国地方整備局のダム管理所は、緊急放流の約1時間前には、サイレンや市内アナウンスで放流による水位上昇を知らせ、市にも電話で氾濫の可能性を伝えていたとする。ただ、早朝、大雨が続く中での動きで、住民には情報が伝わりきらなかった。

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