北海道大学大学院の山田朋人(ともひと)准教授(河川工学)は「一般的に、ダムの容量を超えそうなときには、ダムから水があふれ出てコントロールできなくなるのを防ぐため、流入する分と同量を放流することになっている」と話す。
今回ほどの豪雨の際には、ダムから大量の水が河川に流されることは十分にあり得るということだが、この「一般論」を知っていた住民は、実際には少なかった。山田准教授は、同様の被害を防ぐにはまず、「ダムの仕組みなどの知識を住民の間で共有することが重要だ」とする。
その上で、「これまで経験したことのない災害が起きている中では、全員に情報を伝えきるのは非常に難しい」と指摘。「普段から訓練を続け、その中で課題を見つけておくことが求められる」と話した。