「無料で車お貸しします」 西日本豪雨で宮城の日本カーシェアリング協会が支援

道の両脇に積み上げられた災害ゴミが渋滞の一因となっている=15日午後1時33分、岡山県倉敷市真備町(本社ヘリから、永田直也撮影)
道の両脇に積み上げられた災害ゴミが渋滞の一因となっている=15日午後1時33分、岡山県倉敷市真備町(本社ヘリから、永田直也撮影)【拡大】

  • 「西日本豪雨被害」被災した真備東中学校のグラウンドには大量の災害ごみが集められていた=17日午前10時0分、岡山県倉敷市真備町(鳥越瑞絵撮影)
  • 土砂に埋もれた車を調べる警察官=平成30年7月11日、広島県呉市天応地区

 東日本大震災を契機に発足し、災害に見舞われた被災地の住民や支援団体に無料で車を貸し出す「日本カーシェアリング協会」(宮城県石巻市)は18日、西日本豪雨で被害があった岡山県倉敷市に軽乗用車など6台を届けた。9月末まで利用できる。広島県や愛媛県にも支援を広げ、計50台以上の提供を目指す。

 ■東日本大震災を契機に発足 「被災者の生活再建前進を」

 協会によると、西日本豪雨の発生後、倉敷市真備町地区の被災者らから要望があり、協会が所有する6台の貸し出しを決定した。7月下旬には宮城県在住の人から寄付された4台を愛媛県西予市に送る。さらに全国から車両を募り、他の被災地にも届けたい考えだ。

 自宅の車2台が水没し、貸し出しを受けた倉敷市真備町地区の吉岡巨樹さん(44)は「役場に行ったり片付けで出たごみを運んだりと、何をするにも車が必要で困っていた。周囲の人と使い回したい」と笑顔を見せた。

 協会は東日本大震災の津波で車が流された人を支援するため、震災後に結成。被災者らに車を貸し、共同利用してもらう取り組みを続けている。熊本地震や九州北部豪雨の被災地にも提供した。

 協会の吉沢武彦代表理事(39)は「少しでも被災者の皆さんの生活再建が前進するとうれしい」と話した。問い合わせは同協会、電話0225(22)1453。