【ニュースの深層】接種率1%未満…子宮頸がんワクチン「勧奨中止」5年 国に求められる方針 (1/3ページ)


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 子宮頸(けい)がんの原因となる「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染を予防するワクチンについて、厚生労働省が接種の積極的勧奨を中止して今年6月で5年となるものの、再開の可否に向けた結論は出ていない。この間、接種者が「障害が出た」と次々と裁判に訴えているが、症状と接種との因果関係は未解明だ。一方で70%以上あった接種率が1%未満まで激減し、子宮頸がん患者の増加を危惧する声も。国に明確な方針を求める訴えもあり、混迷が深まっている。

 苦しむ女性

 「今も現在進行形で苦しんでいる。何よりも早く、治療法を見つけてほしい」

 子宮頸がんワクチンをめぐる訴訟の原告の一人である久永奈央さん(20)は5月、東京都内で開いた記者会見でそう訴えた。中学の頃にワクチンを接種後、体に痛みなどの症状が現れ、ひどい倦怠(けんたい)感と脱力は今も抜けない。外出時などには車椅子が手放せない状況だ。接種後の健康被害を訴え、国などに賠償を求める訴訟を起こしている人は現在4地裁で計123人にのぼる。

 厚労省の有識者検討会は平成26年、接種後の症状について、接種時の痛みや不安などが影響を及ぼした「心身反応」との見解を公表。28年には同省研究班が「非接種者にも痛みやしびれなどを訴える人が一定数いた」との調査結果を出したが、健康被害を訴える患者らは「症状が全然違う」と反発した。

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