【ゆうゆうLife】情報開示と患者支援強化を がん経験の学者が提言

 日本の病院は「医療の質」に関わる情報をもっと開示すべきだ。がん患者を支える仕組みも強化してほしい-。

 米国在住の日本人医療経済学者で日米で病院のコンサルティング業務に携わるアキよしかわさん(60)は、2014年に日本で受けた検査で、進行した大腸がんと診断された。医療の質を数値化して評価する専門家として、また日米両国での患者経験を基に、日本のがん医療の改善を訴えている。

 とりわけ強調するのは、米国では専門学会などが定める診療ガイドラインに基づいた標準治療が徹底されているのに対し、日本では病院間のばらつきが大きいことの是正だ。「患者がどこでも標準治療を受けられるようにするには、病院のガイドライン順守状況を公表すべきではないか」と指摘する。

 がん患者になったことで、これまで見えていなかった患者支援の重要性にも気付いた。きっかけは、米ハワイで抗がん剤治療を受けた際に出会った「キャンサーナビゲーター」。

 専門知識を身に付けた人が、患者と家族に継続して寄り添い、正しい情報を提供し、さまざまな選択を心理面でも支える。共感したよしかわさんは養成研修を受け、キャンサーナビゲーターの資格も取得した。

 「日本のがん診療連携拠点病院の相談支援センターは患者が来るのを待っているが、ナビゲーターは自分から出向いて支援を始める。日本でもこうした仕組みが欲しい」。経験や思いを昨年、著書「日米がん格差」(講談社)にまとめた。日本の患者会で講演する機会も増えている。