【就活リサーチ】採用担当者川柳 売り手市場に苦悩

 人事採用担当者に、今年の採用活動を通じて感じたことを川柳にしてもらいました。売り手市場の強まりを受け、学生の言動に翻弄される担当者の心境が表れた句や、内定辞退を嘆く句が多く寄せられました。今年の採用戦線を捉えた4作品をご紹介します。

 面接で 初めて言われた 第四志望

 面接で志望度を聞かれたら、「第一志望じゃなくても第一志望と言わないと内定がもらえない」というのが、学生の間では通説となっています。その結果「第一志望だと言うので内定を出したのに、すぐに辞退されてしまった」という企業が多発しています。「本音を言ってほしい」と嘆く採用担当者は多いもの。だからといって面と向かって「第四志望」と言われたら、それはそれでショックが大きいものです。「嘘でもいいからせめて第二志望くらいと言ってほしい」というのが本音ではないでしょうか。

 今日もまた 空の椅子見て ひとり待つ

 近年、学生の大手志向に拍車がかかり、BtoB企業や中小企業など、知名度が低い企業にとって、厳しい状況が続いています。「説明会のセッティングをしても、当日の無断欠席で誰も来ないまま片づけ、という繰り返しだ」「電話で面接の案内をしたときは、しっかり準備してきますと言っていた学生もいたが、結局来なかった」など悲痛な声が多く聞かれました。

 決められぬ 背中押したら 断られ

 他社に先駆けて内定者を確保しようと、選考や内定出しなどを早める企業が年々増加しています。そうした影響もあり「あまり企業研究していなかったが、あっさり内定が出た。本当にこの企業に入社していいかわからない」という学生を見かけるようになりました。また「複数の企業から内定をもらい、どちらの企業がいいか判断できない」という学生も。そうした学生に入社の意志を固めてもらおうと、内定を出した後にも手厚いフォローをする企業が増えてきました。内定者懇親会を開催したり、人事や先輩社員との面談をセッティングしたりと、手間をかけて判断材料を与えます。ところが結果は内定辞退。徒労に終わり、肩を落とす採用担当者の姿が目に浮かびます。

 なつかしい 氷河期時代の あの熱気

 新卒採用が売り手市場に転じて早数年。バブル崩壊以降、就職氷河期が長く続いていたころとは採用戦線も様変わりしました。いつの時代も、学生は必死に就職活動をしていますが、当時と比べると、企業研究の度合いや入社への熱意など、物足りなさを感じる企業は多いようです。冒頭の句の「第四志望」も、氷河期なら耳にすることはなかったでしょう。

 「早く買い手市場に戻ってほしい」。そんな採用担当者の願いをよそに、次年度も企業の採用意欲が衰えることはなさそうです。(キャリタスリサーチ 松本あゆみ)

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