大阪城入館者35%減 訪日客減少、関空の減便影響広がる

【ミナミ・外国人観光客】関空の機能不全の影響で大阪・ミナミでも外国人観光客が減少しているという=15日午後、大阪市中央区(渡辺恭晃撮影)
【ミナミ・外国人観光客】関空の機能不全の影響で大阪・ミナミでも外国人観光客が減少しているという=15日午後、大阪市中央区(渡辺恭晃撮影)【拡大】

 台風21号による浸水被害を受けた関西の空の玄関口、関西国際空港。発着便は通常時の4割程度の状態で、大阪の観光地、百貨店などでは訪日外国人客(インバウンド)減少の影響が広がっている。

 訪日客の人気スポット、大阪城天守閣(大阪市中央区)の9月(1~12日)の入館者数は約5万人で、前年同期の7万7千人に比べて約35%減った。ふだんは日本人と外国人客が半分ずつという館内は「日本人が目立つ」(担当者)という。

 人気の観光施設「天保山大観覧車」(同市港区)では「訪れる外国人が半減してしまった」(運営関係者)。普段は中国人や韓国人であふれる戎橋筋商店街(同市中央区)の日本食材店の店主は、「国籍を問わず、商店街を行き交う外国人観光客が目に見えて減っている」と嘆く。

 高島屋大阪店(同)では台風以降、14日までのインバウンド向け売上高(免税売上高)が前年比で1割以上減少した。担当者は「外国人が大阪に来る手立てが減った影響が大きい」と指摘。中国の大型連休、国慶節を10月に控え、商機を逃しかねないだけに「関空の機能をいち早く復旧してほしい」と訴えた。