【多田欣也のガーデニングレッスン】(22)身近な有毒の植物

身近な有毒の植物
身近な有毒の植物【拡大】

 前回、食べられる「エディブルフラワー」について書きましたが、植物には食べられるものと食べられないものとの区別の前に、もともと毒を持っている植物があることを知っておかなくてはなりません。

 食用になる植物よりもさらに多くの有毒の植物が存在しているのです。世界中からさまざまな植物が日本に入ってきて栽培あるいは、自生しています。身近な花たちの中にも有毒のものがあります。

 野菜のニラと間違えることでおなじみのスイセンの葉。毎年、これを食べて食中毒の事故が起きています。口に入れなくても、植物を切ったときに切り口から出てくる汁でかぶれたりする事故もあります。これもキンポウゲの仲間の花(シュウメイギク、クリスマスローズ、クレマチスなど)に見られたりします。

 口に入れたり汁に触れなければ、有毒であっても自宅で育てたり鑑賞したりすることに問題はありません。しかし、植えている植物がどういう性質のものであるかは知っておく必要があるでしょう。家族でガーデニングを楽しむときに、子供たちには「この花を口に入れたりしてはいけません」とか、「花を取った手で目をこすっちゃいけません」などと、しっかり教えましょう。

 しかし、ペットの犬や猫たちは分かりませんね。ベランダに放したときに注意が必要です。できれば先ほどの花たちや、ニチニチソウ、イソトマの鉢は食べられない所に置きましょう。今あちこちで咲き誇っているチョウセンアサガオ、キダチチョウセンアサガオは特に毒性が強いので、通学路などを確認し、触らないようにしっかり教えてください。

                   

【プロフィル】多田欣也(ただ・きんや) 岩手県出身のガーデンデザイナー。園芸講師、花の企画社顧問。著書に『はじめての寄せ植え きんや先生の園芸教室』、イラストエッセー『二十世紀酒場』がある。