川崎市が風疹拡大に警鐘「予防接種を」 胎児に重大影響も (3/3ページ)

風疹予防の大切さを訴える川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長=川崎市役所
風疹予防の大切さを訴える川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長=川崎市役所【拡大】

 厚生労働省が「風疹の免疫がない人が多い世代」と指摘するのが、「昭和37年4月2日~54年4月1日生まれの男性」と「昭和54年4月2日~62年10月1日生まれの男女」の2つの世代だ。男性に対する定期接種が制度化されていない時代や、個別に医療機関で接種を受ける制度だったため、接種率が低い現在30~50代の男性の感染が目立っている。

 岡部氏は「風疹は、ワクチンの予防接種で防ぐことができる感染症。抗体を持っている人が予防接種しても問題はない」として、積極的な接種や、抗体検査を推奨している。

 【風疹】風疹ウイルスによる感染症。せきやくしゃみの飛沫を吸い込むことで感染する。16~18日間の潜伏期間の後、赤い発疹や発熱、リンパ節の腫れなどの症状が現れる。春から初夏に多く発生するが、近年は例外も目立つという。子供の場合、症状は比較的軽いが、脳炎などの重い合併症が起きることもある。大人は発熱や発疹の期間が子供に比べて長いケースが多いとされる。