【著者は語る】『言葉の温度 話し方のプロが大切にしているたった1つのこと』 (1/2ページ)


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 □アナウンサー・馬場典子氏

相手の心に届く「伝え方」のヒントを教示

 温かい言葉に励まされたり、熱い言葉に感動したり、反対に冷たい言葉に傷つくこともあるように、私たちが発する言葉には、言葉遣いだけでなく、声のトーンやその素(もと)となる本音、つまり自覚の有無に関わらず“心”が映し出され、それが“温度”となって相手に伝わります。

 大学4年の春、当時の氏家齊一郎(うじいえ・せいいちろう)・日本テレビ社長の「アナウンサーは潰(つぶ)しが効く」という厳しい言葉にたじろぎつつも、叱咤(しった)激励という温度を感じました。「伝え手」として20年以上を過ごしてきた今では、コミュニケーション力は社会生活や私生活の全てにおいて必要なスキルで、「伝える」能力があればどんな環境でもやっていけるという意味も込められていたと感じています。

 アナウンサーが情報を伝える環境は特殊です。(1)限られた時間で、(2)一方通行で、(3)不特定多数に、伝えています。そのため、(1)核心を捉えて的確にまとめ、(2)相手の立場を想像して自分が言いたいことよりも相手が知りたいことを考え、(3)誰にでもイメージしやすい表現をすること-が求められます。

 ビジネスパーソンは、時間の使い方が鍵を握ると聞きます。平等に与えられ、かつ限られた時間をどう使うか。それは、自分の時間をうまく使うだけでなく、相手の時間を浪費しないという意識も大切といえます。特殊な環境で鍛えられたアナウンサーの「伝え方」は、ビジネスシーンでも役立つと思います。

 営業先でも社内でも、家族でも恋愛でも、「伝え方」に絶対の正解はありません。本書は、自分なりのコミュニケーション方法や応用力が身につくことを目指しています。

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