【著者は語る】『「もう、できちゃったの!?」と周囲も驚く!先まわり仕事術』


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 □アジア・ひと・しくみ研究所代表 新井健一氏

 ■ミーティング術など6つのポイントを解説

 一億総活躍社会の実現を目指して、内閣官房に「働き方改革実現推進室」が設置されたのが2016年9月。18年には関連法案も可決され、日本の働き方にメスが入りました。

 安倍晋三首相の「モーレツ社員という考え方自体が否定される日本にしていきたい」という発言は、企業が働く環境を整備するだけでは実現できません。働く人が個々に働き方を見直し、社会全体を変えていこうとする姿勢が大切だと思います。

 本書では、モーレツに働いてパフォーマンスを高めれば優秀な人材と見なされる日本企業で仕事をしていた私が、外資のコンサルタント会社に就職したとたんに「出来ない人」のレッテルを貼られ、上司の口から定期的に放たれる「クビ」の二文字におびえながらも、仕事における「先まわり」のスキルを身に付けていくまでの、気づきの過程を紹介しています。

 ダメ社員だった私が、最高評価を受けるまでの道のりで学び得た「常に先まわりを意識して問題点に取り組む」という考え方は、残業をせずに高い成果をあげたいと考える上でも、重要なスキルになると思います。

 仕事における「先まわり」をするためには、(1)議事録(2)勉強法(3)部下力(4)ミーティング術(5)スケジュール術(6)プロ思考-の6つが重要です。本書ではこの6つについて具体的な事例を盛り込みながら、考え方やノウハウを解説しています。

 また、働き方改革をきっかけに、古い考え方が残る職場の体質を一新し、“セオリーに基づいて効率的かつ余裕のある働き方を社員に提案したい”と考える企業経営者にも参考にしていただける一冊だと思います。

 外資系企業のノウハウをそのまま取り入れることは難しいとしても、合理的に物事を進めることや、無駄をなくして余裕を持つことなどに注視して読み進めていただければ、何が余分で何が欠如しているのかが見えてくるでしょう。特に「上司から仕事の依頼を受けた場合に、部下はどのような行動に移すべきか」や「惰性で行うのではなく、結果を出すためのミーティング方法」などを実践していけば、おのずと無駄のない働き方が可能になると考えています。

 近い将来、「余裕のある働き方をしながら、最高の結果を出すのが日本人」と世界で評される日を心待ちにしています。(1512円 ダイヤモンド社)

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【プロフィル】新井健一

 あらい・けんいち アジア・ひと・しくみ研究所代表、企業の「人の問題」に関する専門家。早稲田大学政治経済学部卒業後、大手重機械メーカー、外資系コンサルティング会社、同ビジネススクール責任者、医療・IT系ベンチャー企業役員を経て、経営コンサルタントとして独立。経営戦略から経営管理、人事制度、社員の能力開発・行動変容に至るまでを専門とする。講師としても、組織と人に関わる分野、経営数字分野を中心に実績多数。