【環球異見】性別変更を不可能に、米政府が検討 「トランプ氏は公約破り」ワシントンポスト紙 (1/3ページ)

米ホワイトハウス前で「われわれは抹消されない」と書かれたプラカードを持ってトランプ政権にトランスジェンダーの権利を訴える活動家ら=22日(ロイター)
米ホワイトハウス前で「われわれは抹消されない」と書かれたプラカードを持ってトランプ政権にトランスジェンダーの権利を訴える活動家ら=22日(ロイター)【拡大】

 米国のトランプ政権が性別の変更を不可能にする新制度を検討していることが米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によって明らかになった。厚生省がまとめた資料では、性別は「生まれ持った生殖器によって規定される」案が浮上していて、男性か女性のいずれかに限定される。米国には心と体の性が一致しないトランスジェンダーが約140万人いるとされ、性的少数者(LGBT)の関連団体などが反発している。

ワシントンポスト(米国)「トランプ氏は公約破り」

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は23日の社説で、性の定義を生まれつきの性別に限定する政策が実施されれば、「罪もない人々を傷つけることになる」と非難し、政策は「(トランスジェンダーの人々の)現実に即していない」と訴えた。

 同紙はまず、性を定義することの難しさに言及し、「親が選んだ性別に適合せず、変更を望むケースもある」と指摘。国際スポーツの分野でも、遺伝子やホルモンレベルに基づいて科学的に正しい検査方法を模索してきたと紹介し、「遺伝子検査は、生物学的な性別に関する問題を解決するための信頼できる方法にはならない」と主張した。

 また、政策の賛成派は、トランスジェンダーへの理解が欠如しているとも指摘。トランスジェンダーの人々は「浅薄な好み」ではなく、「深厚で本質的な自覚」によって自身の性のアイデンティティーについて考えていると強調した。

 その上で、米社会で長年、否定されてきた同性愛や異人種間の結婚を挙げ、トランスジェンダーの政策が導入されれば、「再び社会から人々を疎外させることになる」と警告。トランプ大統領は大統領選でLGBTのために戦うと訴えていたとし、「新たな公約破りが示されることにもなる」と批判した。

 ニューヨーク・タイムズ紙は23日の社説で、中間選挙を前にトランプ氏が自らの支持層の歓心を買うため、移民問題などで過激な発言を繰り返していると指摘。トランスジェンダーの政策見直しもその一環とし「社会を二極化するゲームをやっている」と政治姿勢を批判した。

 LGBTやリベラル層から反発が強まる中、保守系メディアのワシントン・エグザミナー(電子版)は22日の記事で「オバマ前政権の取り組みから後退したとしても、トランスジェンダーを『抹消』することにはつながらない」と反論した。(ニューヨーク 上塚真由)

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