来年10月に予定通り消費税率を10%へ引き上げるにあたって、国が「キャッシュレス決済によるポイント還元」などを促す動きもあり、今後は一層キャッシュレス化が進みそうです。
かつて家計管理の考え方は、無駄遣いの原因として、クレジットカードや電子マネーを挙げていました。「クレジットカードや電子マネーは、現金を財布の中から出して使うよりもお金が実際に減っていく感覚が薄くなり、精神的な痛みが少ないから、つい使い過ぎてしまう」という理由でした。
しかし、最近はクレジットカードや電子マネーが普及し、利用特典も増え、全く使わず暮らすことの方が難しくなってきました。それだけに、家計のキャッシュレス化を進める前に、家計を見直して無駄な買い物をしない仕組みを作っておきたいものです。
まずは、お金を出して買っていいものかどうかを常に考えて判断します。今買わなくてもいいものや、そんなに欲しいと思わないものは減らします。
次に、クレジットカードや電子マネーを使い過ぎないよう、歯止めがかかる使い方を考えましょう。クレジットカードで買い物をしてよい予算を決め、例えば月に5万円までと決めます。1カ月間のカード払いの金額が、その予算を超えないように使いましょう。
電子マネーも、残額が少なくなると自動的にクレジットカードから補填(ほてん)されるオートチャージ機能ではなく、毎月、給料日に予算額の分(例えば、1万円の予算なら1万円分)をチャージするだけにとどめます。使い切ったらその月の分は終わりという仕組みで運用しないと、あっという間に使い過ぎ、クレジットカードの請求書を見て顔は真っ青、給料日までお金がないなどという事態になってしまいます。
便利なキャッシュレス決済、賢く活用しましょう。(マネーライター 生島典子)