【希少がんと共に生きる】突然の激励にビックリ 「坂井さんは100歳まで生きる」3つの顔をもつ現役官僚の直言 (1/5ページ)

インタビューに応じる江崎禎英氏=10月29日、経済産業省(西村利也撮影)
インタビューに応じる江崎禎英氏=10月29日、経済産業省(西村利也撮影)【拡大】

  • 超高齢社会と社会保障の現状のイメージ。「ほけん丸」には高齢者らがひしめき合っている(江崎禎英氏提供)
  • 超高齢社会と社会保障の将来のイメージ。高齢者らは積極的に体を動かし健康に。「ほけん丸」は沈没することなく安泰(江崎禎英氏提供)

 東京・霞ケ関で今、最も注目されている現役の経産官僚がいる。その人の名は江崎禎英(よしひで)氏(53)。経済産業省の政策統括調整官でありながら、厚生労働省医政局の統括調整官、内閣官房の健康・医療戦略室次長を兼務する、いわば3つの顔をもつ男だ。医療、社会保障に関する政府の政策をリードしており、日々全国を飛び回っている。そんな江崎氏が口にした、ステージ4の小腸がんと闘っている筆者への激励。「坂井さんは100歳まで生きるのでは」。その真意とは何なのか。国民病ともいうべきがんや認知症対策などを聞いた。

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 --超高齢者社会に突入し、働き手が減る中でどのような対策が必要か

 「今の社会保障制度は、『還暦』で人生が終わっていた時代に作られたもの。人口構造的にも財政的にも最も恵まれたときに、リタイアして余生を送る人を支えることが前提となっている。人生100年時代が到来しつつある現在、社会の仕組みを見直すことが大切と考えている」

 --社会の仕組みとは

 「『高齢者が増えれば社会保障費が増えるのは当然』という議論があるが、高齢者が健康で長生きできるようになったのだから、もっと社会で活躍し続けられる仕組みを作ることが先。その上で、本当に必要な社会保障制度は何かを考えるべきだ」

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