ニッポン好きの欧州人でも…日本企業の倫理観に関心ある人は少ない? (1/3ページ)

ブルネッロ・クチネッリのプレス・カンファレンスの様子@Brunello Cucinelli
ブルネッロ・クチネッリのプレス・カンファレンスの様子@Brunello Cucinelli【拡大】

 【安西洋之のローカリゼーションマップ】「長い間、ぼくは品質管理やリーン生産のコンサルタントをやってきたけれど、もうそれらの分野の膨大な本はすべてどこかに引き取ってもらおうと思っています。なにせ、その分野には倫理が関係しないから」

 こう話すのは犬丸和雄さんだ。犬丸さんは、昨年、エシィック・インテント(「倫理・意図」との意)と名付けた会社をミラノで起業した。現在70歳の彼は、これからの人生を「企業の倫理」というテーマに注ぎたいという。

 「大学で文化人類学を勉強したけど、ずっとそれを活かしてこなかったのですね。でも、最近、幕末から明治初期の起業家の倫理観がどうだったか古い経営史の本を調べたり、アリストテレスの本を読み直しています」と続ける。

 犬丸さんは日本とイタリアで育ち、慶應大学で社会学を勉強した後、ケンブリッジ大学で文化人類学を専攻。その後、イタリアの大学で日本語・日本文化の講義を担当しながら、並行して欧州の企業に日本の品質・生産管理システムの導入をはかるコンサルタント企業を経営してきた。

 それが、これからは倫理の問題に取り組む。

 ぼくが犬丸さんと初めてお会いしたのは、8-9年前だと思う。その後、何らかの文化イベントの際に何度か偶然にお会いしてご挨拶をしてきたが、あまり深く話したことはなかった。

 かなり長い時間をかけて、じっくりと話し合ったのは、この9月のはじめだ。ウンブリア州にある高級ファッション・ブランドのブルネッロ・クチネッリの財団が実施してきた、本社のある村の風景を「美しく維持する」ためのプロジェクトを世界のメディア関係者にお披露目するイベントの場だった。

企業の競争性は倫理こそにある