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ニッポン好きの欧州人でも…日本企業の倫理観に関心ある人は少ない? (2/3ページ)

安西洋之

 新しいビジネスのテーマにバッチリ合う企業がブルネッロ・クチネッリである、と犬丸さんは睨み、同企業のリサーチをしているところだった。

 利益と倫理の両立が企業存立の必須条件でありながら、「まずは数字」という部分が肥大化している現況を憂え、企業の競争性は倫理こそにある、と彼は考えているようだ。いや、競争性という表現は倫理に相応しくないかもしれないが。

 ちょうどぼくも、リトアニアが旧ソ連から独立した後、新しい社会作りに審美性や美意識が求められている状況について考えていたので、ウンブリアでの会話はとても弾んだ。

 2か月以上の時間をおいて、奇しくも日産自動車のカルロス・ゴーン氏が東京地検に逮捕された日、今度はミラノでお会いした。倫理をどういうアングルから見ていくかの意見交換をするためだ。

 そして冒頭のセリフをうかがったわけだ。

 「欧州に、これだけ日本文化に敬意を示す人たちが増えていても、日本企業の倫理観に関心のある人は少ないでしょう。例えば、日本社会の便利さは行動の規範よりルールの徹底にある、と見ているのではないかな」とも語る。

 ぼくが「新幹線の運行のスムーズさを、欧州人は日本人のメンタリティとして賛美している風にみえるが…」と話題をふった際、犬丸さんが返してきたコメントである。

 日本好きの欧州人は武士道を引用することが多いが、武士道が現在の日本企業活動の倫理のすべてを説明するには無理があるだろう。

 言ってみれば、「日本の良い会社」と「欧州の良い会社」にある差異は何か。これをもう少し突き詰めて考える必要がありそうだ。

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