ローカリゼーションマップ

ニッポン好きの欧州人でも…日本企業の倫理観に関心ある人は少ない? (3/3ページ)

安西洋之

 「新会社もコンサルタント活動をするのですか?」と質問すると、「方向としては教育ですね」と犬丸さん。

 「教育は究極のところ、自分を成長させてくれるのですよ。それには対話が鍵です」と話す。

 本によって知識は増すが、実際でのシーンで得た経験が自分の糧になる。犬丸さんは生産管理の本も沢山読んで勉強したが、工場の生産現場で習得したことの方が圧倒的に多く、価値も高いと自覚している。

 だから冒頭に述べたように、これまでの本を処分したいと考え、倫理については人との対話を起点にしたいというのである。特に倫理は何らかの定義を明文化するものではなく、考えや感覚の総体ともいうべきものを対象とするのだからなおさらだ。

 こういうことを犬丸さんと話しながら、ぼくがどうしても想いをはせざるをえないのは、「日本の生産現場がきれいに整頓され、作業効率が良いように管理されてきたのは、その根底にいったい何があったのだろうか」との素朴な、それこそ今さらながらの疑問である。

 世界中のさまざまな分野に5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が広まったが、日本の製造現場がこれを作り上げたのは、単に几帳面だったからなのか。そうではないだろう。

 分かったつもりになっていたが、振り出しに戻らないといけない課題が何と多いことか。

【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)

安西洋之(あんざい ひろゆき)上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『デザインの次に来るもの』『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』、共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。

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