【暮らし替えの道しるべ】(23)老後に残す思い出の品 (1/2ページ)

 96歳の母は自力では歩行が困難になり、じっと私の顔を見つめますが私の名前が出てきません。少しずつ体力も気力も衰え、笑顔もほとんどなくなってしまいました。昨年父が他界した後から、歩けなくなり、認知症の症状が進んできたようです。人生のパートナーがいなくなった喪失感は、計り知れないほど深かったのだと想像できます。

 先日も母と話をしていると、母の生まれた街の名前や母が通った小学校の名前、仲の良かったお友達の名前などは考えることもなくすらすらと出てきます。幼い頃の記憶は強く残っているものなのですね。

 母の思い出のものを探しているときに見つかった、1歳の私の写真。おてんばで男の子と鬼ごっこや缶けりで過ごした子供時代の思い出がよみがえってきました。親子で荷物を整理するときでも、親の子供の頃の写真や思い出の物を少し残しておいてください。親が歩んできた子供時代を大人になった子供の目で改めて客観的に見ると、自分の知らない親の顔が見えてくるかもしれません。

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