宴会はレンタルスペースで (1/2ページ)

　年末も差し迫り、幹事を悩ませるのが忘年会や新年会の会場探し。こうした中、飲食店ではなく、レンタルスペースを借りて宴会を楽しむ人が増えている。飲食店のように時間制限もなく、現状復帰（元に戻す）さえすれば、飾り付けやレイアウトも自由自在。ソファやダイニングをしつらえたスペースも増え、ほとんど“ホームパーティー”に近い宴会もできる－と人気だ。（木村郁子）

器具揃い楽々

　ＪＲ塚本駅（大阪市淀川区）の近くにあるレンタルスペース「スマイル」。キッチンが備え付けられているところがポイントだ。

　運営している木繁不動産（同市天王寺区）の木村まひるさん（３８）は、「もともと賃貸で埋まらない事務所をリフォームし、貸し出したのがきっかけ。昼間はパンや料理の教室に、夜はさまざまなパーティーにと、利用されています」という。

　３０人は入るスペースながら、利用料は１時間１５００円～２０００円。口コミで評判が広がり、利用客は神戸や京都にも及ぶ。年内の予約はほぼ満杯で、３カ月先まで予約が埋まっているという。利用者は、近隣のスーパーで大量に飲食品を購入することも多く、「スーパーの売り上げが２割上がった」という。

　同市淀川区の野村真由美さん（５４）は、「立地条件もよいし、大皿やグラス類、調理器具もそろっていて、パーティーなどによく利用します。子供たちが走り回っても気にせず楽しめます」と話す。

個室居酒屋も

　レンタルスペースの人気に、“寄せた”飲食店も登場した。１０月にオープンしたばかりの「ＴＡＫＵＮＯＭＩ（たくのみ）」（同市中央区）は「完全個室飲食店」を打ち出している。

　店長の今中悠太さん（２４）は、「大学時代に自宅や友人宅でパーティーをしていましたが、騒音に対する苦情がきたり、ものを壊されて家族にしかられたりし、『自宅のように気兼ねなく、くつろいで飲めるスペースがあれば』と思いました」。

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