辞めたいタイミングを“予知”!? 「勝手に“天職”を見つけ出す転職AI」が進化 (3/3ページ)

scoutyは企業に採用候補者の「転職アラート」を送る(画像はイメージ、同社提供)
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  • 「AIが天職を探し出す」とうたうscouty、次は「転職したい気持ち」を予測?(同社提供)
  • 企業が採用したい人材をシステム上にリスト化できる「タレントプール」という機能も実装した(画像はイメージ、scouty提供)

 本機能は搭載されてまだ数カ月だが、企業の人事からの評判は上々のようだ。オンラインストアのサービス運営会社などを傘下に持つhey(東京・渋谷)の近藤愛(まな)さんは「これまでは対象者のSNSページを『お気に入り』に登録して自分の目でチェックしていた」と打ち明ける。「エンジニアは特に需給のバランスが難しく、それくらいやらないと企業はいい人材になかなか巡り合えない」(近藤さん)。

 ただ、SNSを人力で巡回してExcelなどで管理すれば膨大な手間がかかる上、対象者がどれくらい今の仕事に不満を持っているか人事が感覚的に判断するのにも限界があったという。「この機能を活用してスカウトのメッセージを送り、既に面談に至ったケースもある」(近藤さん)。エンジニアの転職潜在層に狙いを絞ることで、現在はグループ全体で正社員や派遣などを合わせて約120人の人員を19年3月までに150人に増やす予定だ。

 scoutyによると、どのくらい転職意欲が確実に高まったといえる段階でアラートを鳴らすべきかなどシステムはまだ調整中という。「転職活動はビジネスパーソンにとって大変な作業。『そろそろ仕事を変えてもいいかな』と思ったタイミングにスカウトのメールがくれば誰でも楽に転職ができる」(同社CEOの島田さん)。「勝手に“天職”を見つけ出すAI」の進化は、転職・採用という決して軽くない負担から求職者と企業を解放できるか。