「舞台俳優」が石綿被害で労災認定

アスベスト被害で労災認定された舞台俳優の加藤大善さん(遺族提供)
アスベスト被害で労災認定された舞台俳優の加藤大善さん(遺族提供)【拡大】

 劇団「東京芸術座」(東京都練馬区)に舞台俳優として在籍し、平成28年4月に死亡した埼玉県富士見市の加藤大善(だいぜん)さん(70)が、舞台装置の取り付け作業中に浴びたアスベスト(石綿)で胸膜中皮腫を発症したとして、池袋労働基準監督署(東京)が労災認定していたことが19日、分かった。認定は今年7月。加藤さんの妻(68)と長女(35)らが記者会見し、明らかにした。舞台俳優の石綿被害の労災認定は全国初とみられる。

 遺族らによると、加藤さんは昭和49年3月~同55年1月、東京芸術座に在籍。劇団員として年2回、全国の学校などを会場とする公演活動にも参加していた。その際、石綿が吹き付けられた天井裏で、照明機材の取り付け作業などにも従事していた。

 加藤さんは劇団退団後の平成26年12月に胸膜中皮腫を発症。加藤さんの死後、遺族が労災申請を行っていた。

 東京芸術座は「当時はまだ石綿の危険性は認識されていない時代で、どれだけ危険かも分からない中で作業が行われていた。ご遺族には哀悼の意を表します」とコメントした。