感情論に振り回されたIWC 脱退は正常化の出発点 (2/3ページ)

調査捕鯨で北海道・釧路港に水揚げされたミンククジラ=2017年9月
調査捕鯨で北海道・釧路港に水揚げされたミンククジラ=2017年9月【拡大】

  • 南極海に向け出港する調査捕鯨船「勇新丸」=2015年12月、山口県の下関港
  • 記者団の取材に応じる吉川農相=20日午後、東京都中央区

 科学調査の結果、ミンククジラなどの一部の資源量が復活しているにもかかわらず、反捕鯨国は、クジラを特別な動物ととらえる世論に影響を受け、モラトリアム解除に向けた議論に消極的な姿勢をとり続けた。9月のIWC総会では、商業捕鯨再開は「不要」とする宣言が採択。日本政府は「異なる立場や考え方が共存する可能性すらないのであれば、IWC加盟国としての立場の根本的な見直しを行わねばならない」と声明を出すに至った。

 森下氏は、脱退について「国際社会に背を向けることではない。鯨類の資源管理に関する現在の国際的な枠組みが機能しないために、新たな枠組みを作るためのステップになる」と強調。今後、捕鯨賛成国で「第2IWC」が組織される可能性がある。

 日本はIWC脱退で国際捕鯨取締条約(ICRW)の枠外で捕鯨を行うことになるが、国連海洋法条約(UNCLOS)の制約は受ける。UNCLOSでは、鯨類は「適当な国際機関」を通じて、資源の保存や研究を行うことが義務づけられている。そのため、「適当な国際機関」と位置づけるIWCの科学委員会にはオブザーバーとして残り、海洋資源に関する科学調査を継続する。IWC非加盟国で捕鯨国のカナダも同様の措置を取っている。

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