高論卓説

外国人就労拡大、受け入れ理念と社会統合制度が不可欠 (1/3ページ)

 臨時国会で、最大の与野党対決法案だった改正出入国管理法(入管法)が成立した。人手不足対策としての法改正だった。2002年4月に経団連と日経連が統合して発足した日本経済団体連合会の初代会長でトヨタ自動車会長(当時)の奥田碩氏は、03年元旦に公表されたビジョン(奥田ビジョン)に「多様性を受け入れ外国人も活躍できる環境整備」を盛り込んだ。(ダイバーシティ研究所参与・井上洋)

 具体的には、高度人材だけではなく、製造などの現場で働く外国人をより透明で安定した制度の下で受け入れる本格的なシステムを設計せよということだ。しかし、奥田ビジョンの提案に霞が関、永田町の反応は芳しくなかった。それでも奥田会長は翌年、ビジョンを基にさらに詳細な政策提言づくりを事務局に指示し、私はその任を果たすことになった。

 周知の通り、自動車の部品点数は、ガソリン車で10万点近くにもなる。トヨタは、大手の部品メーカーから細かな部品を供給する協力企業まで、幅広い企業群で構成される裾野の広いサプライチェーンの頂点に立つ。トヨタの工場で働く外国人はいなくても、部品メーカー、協力企業の各所で数多くの外国人がそのクルマづくりを支えている。

 当時、その大半は1990年の入管法改正により在留が認められた日系人の2世・3世とその家族だった。日系人という身分、地位に着目して在留が認められているがゆえに活動の制限はなく、現場労働者として就労も転職も自由だ。人手不足対策として、入管法の改正はずばり当たった。

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