【高論卓説】外国人就労拡大、受け入れ理念と社会統合制度が不可欠 (2/3ページ)

 その一方で、地域での受け入れ体制はなかなか整わなかった。日本人住民は、日本語の話せない、生活習慣も全く異なる日系人の素行を毛嫌いし、摩擦が極まった。

 愛知県豊田市をはじめ外国人の集住する都市はいずれも、その渦中にあった。そうした状況を踏まえて経団連は、2004年4月に外国人受け入れ体制、制度のあるべき姿を提言した。

 あれから十数年がたち、人手不足対策として、再び入管法改正により受け入れ拡大がなされることになった。技能実習制度をベースとして特定技能という新しい資格を設け、最長5年間の在留を認めることは周知の通り。

 しかし、日系人受け入れが始まって以来、課題となっている社会統合への道筋は不透明なままだ。改正入管法の検討の過程においては、奥田ビジョンで掲げた「多様性のダイナミズムを生かすための外国人受け入れ」のような理念などが検討された形跡はない。

 安倍総理がいうように、これは移民政策ではないとしても、労働や教育、地方行政、社会保障など関連する全ての法制度を見直す法案を臨時国会にまとめて上程すべきであったと私は考える。

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