「後ろの席」に座れ 医師が教える"この冬、風邪をひかない方法" (1/3ページ)

 気温が下がり、風邪やインフルエンザで体調を崩す人が増えている。予防にはなにが有効なのか。医師の裴英洙氏は「マスクの着用、こまめな手洗いのほか、新幹線や教室などの密閉空間では後ろの席に座るといい」という。「この冬、風邪をひかない方法」をお教えしよう--。

 ※本稿は、『プレジデントFamily2019冬号』の掲載記事を再編集したものです。

Q1 風邪をひきやすい人の特徴って?

 風邪をひきやすい人は、どういう人なのだろうか。『一流の人はなぜ風邪をひかないのか?』(ダイヤモンド社)の著者の裴英洙(はい・えいしゅ)氏はこう語る。

 「風邪は体力の低下と風邪ウイルスとの接触の二つによって引き起こされます。不規則な生活リズムや栄養バランスの悪い食生活、継続的なストレスや睡眠不足は、風邪への抵抗力を低下させます。そんなときに風邪ウイルスの感染経路に接触すると、風邪をひくリスクは増大します」

 年末年始で忙しく生活が乱れがちな受験生は、要注意である。

 「薬で症状を抑えることはできますが、だるさや熱っぽさなどがなくなって、元の状態に回復するには、最低でも1週間はかかります」

 風邪やインフルエンザのウイルスに感染する経路は「接触感染」と「飛沫感染」に大別される。

 「『接触感染』は、ウイルスが付着しているものを触ることで感染する経路です。風邪をひいている人との消しゴムの貸し借りや、電車のつり革などの間接的な接触でもウイルスはうつります。一方の『飛沫感染』は感染者のせきやくしゃみを吸い込み感染するものです。学校で集団生活を送り、塾で集団授業を受けている受験生たちは、リスクの高い環境にいるといえるかもしれません」

Q2 うつらないために気をつけるべきことは?

 「接触感染」を防ぐには、ドアノブやエレベーターのボタン、水道の蛇口、電車のつり革など、「不特定多数の人が触れる出っ張ったモノ」に触れないことが重要だと裴氏は言う。

 「人が触るところにはウイルスがうつる可能性が高いです。手で触るだけでは体内に入りませんが、その手で目をこすったり、口元を触ったりすると、ウイルスは体内に侵入します」

 多くの人は無意識のうちに自分の目元、口元、鼻など顔のあちこちを触っているため、「自分の顔を触らないように意識する」ことも、風邪予防に効果があるそうだ。マスクをすると顔を触る癖を防ぐことができる。

 「地味な方法ですが、こまめに手洗いをするとよいでしょう。1日に10回程度洗うことをおすすめしています。トイレや外出の後だけでなく、“学校や塾の授業が1コマ終わるたびに洗う”という頻度が目安です。ジェル状のアルコール消毒液を持ち歩くのもよいと思います」(裴氏)

 トイレなどにある、手を乾燥させるためのエアータオルは避けたほうがよいと裴氏は言う。

 「ウイルスが手についた人が使った場合、空気でトイレ中にウイルスを拡散させてしまいます。見かけたら近寄らないほうが無難です」

感染リスクを下げるには「後ろの席」を選べ

 次に「飛沫感染」を防ぐには、感染者と物理的に距離を取ることが第一。他人との距離が近い場所や、密閉空間は感染リスクが高まるため、満員電車の中や閉め切った教室、駅間が長く、空気の入れ替わりの少ない新幹線の車内はリスクが高い。

 「せきやくしゃみは人の前に向かって飛びますから、教室の席が前になるほど、後ろから浴びるせきやくしゃみの量が増えることになります。感染リスクを下げるには、後ろのほうの席を選んでください」(裴氏)

 地方受験で注意してほしいのが、新幹線やバス、ホテル内の湿度だ。

 「ウイルスは湿度が高いと動きが鈍くなります。ホテルでは加湿器を使うのが効果的ですが、湯船にお湯を張って風呂場のドアを開けっ放しにしたり、ぬれタオルを部屋に干すだけでもよいでしょう。新幹線やバスではガムやのどあめで口の中を潤しておくと、口の中の湿度が上がり、効果的です」(裴氏)

 東北大学医学部で漢方医学を研究してきた医師の関隆志氏は、勉強部屋の湿度の重要性を指摘する。

 「室内に湿度計を置き、湿度を50~60%に保ってください。室内の湿度を高めながらバランス良く栄養を取れるので、冬場は鍋物を食べるのもよいでしょう。牛乳や豆乳、はちみつには喉を潤す効果があり、乾燥による風邪を防ぐ食材のひとつとしておすすめです」

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