【きのうきょう】花畑 (1/2ページ)

 宮崎県日向市 中武健次 67 無職

 都会で学び、郷里から離れた街で暮らしているが、年を取ると生まれ育った場所がなつかしく、定年後は帰ることが多くなった。そこには古い家がある。専門家に写真を送って鑑定してもらったら、江戸時代末期の建築ということだった。

 今は誰も住んでいないが、太くて立派な木材を使っていて、黒光りしている。壊すのは忍びない。兄が1週間に1回、風通しと掃除をしている。私も月に1回ほど、特に用事もないのだが、友人を誘って帰っている。

 過疎化が進み、集落に住む人も数えるほどになってしまった。受け継いできた田畑も草が生い茂っているありさま。そこで、私たちで田んぼを花畑にしようということになった。

 兄が草を刈り、姉夫婦がツツジやアジサイを植えている。私もツツジの挿し木を50本ほど植えた。ふるさとに少しでも明るい話題を提供できればと思っている。花が咲き誇るようになるまで元気でいようと、時々話し合っている。

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