医学部募集減で救済措置、入学者数の臨時増員認める

追加合格の基準を説明する東京医科大の林由起子学長=11月7日、東京都新宿区(古厩正樹撮影)
追加合格の基準を説明する東京医科大の林由起子学長=11月7日、東京都新宿区(古厩正樹撮影)【拡大】

 医学部入試の不正問題をめぐり、文部科学省は25日、来年入試の募集人数を減らすことにした東京医科大などについて、受験生への影響を少なくするため、臨時的に入学者数の増員を認める救済措置を取ると発表した。増員による定員超過分は、再来年以降の入学者数を減らすことで調整する。文科省は今後、対象となる大学と来年以降の募集人数について協議するとしている。

 来年の医学部入試では、不正の影響により東京医科大が追加合格者44人分、順天堂大が48人分、日本大が10人分を募集人数から減らすと公表している。しかしいずれも出願期間の直前だったため、受験生への影響が懸念されていた。

 このため文科省では、教育環境が確保されることを条件に、募集人数の減少分を今後最大6年間の入試で分散することにした。これにより一時的に定員を超過するが、臨時的に認める。

 医学部の定員は医師の需給バランスを崩さないよう厳密に定められており、文科省では厚生労働省とも連携しつつ、今後の対応にあたる方針だ。