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19年春闘 「官製」から民主導シフト期待

 安倍晋三首相が26日の経団連の審議員会で、2019年春闘での賃上げを経済界に要請した。19年春闘に関してはこれまで、賃上げ発言がなかったため12月末になって「ようやく」といった印象だ。

 安倍首相は要請の呼びかけに続けてバブル経済期の賃上げ率に触れ、「数字はあえて申しませんが、5%でした」と笑いをとった。経団連の中西宏明会長も審議員会終了後、記者団に「(数値目標は)なかった」と笑顔を見せた。

 18年春闘までは、首相がデフレ脱却を目指して賃上げを要請し経団連が応じる「官製春闘」が続いた。18年春闘は、経労委報告にも数値目標が「社会的期待」と盛り込まれ、経済界に「違和感」や「抵抗感」が広がった。企業が収益や内部留保を従業員に賃金として還元、消費を促すという大義名分があるとはいえ、過剰な介入ではないかと受け止められたためだ。

 18年春闘は2.53%の賃上げ率を確保、大手の夏、冬のボーナスも過去最高という「結果」を出し、中西会長は「(19年春闘は)数値目標はないのでは」との観測を口にしていた。

 景気の潮目が変わりつつある中、経済界、労組には民主導の着実な賃上げとともに、脱「横並び」で収益に見合った果実をきちんと従業員に分配することが求められる。(大塚昌吾)

 ■春闘の賃上げ要請に関する首相発言と賃上げ率

 (首相発言要旨/賃上げ率(%))

 ・2014年

  業績が改善している企業は報酬の引き上げなどの取り組みを/2.28

 ・2015年

  賃金が上がる展望を示せれば、好循環の2巡目は大きく前進/2.52

 ・2016年

  3巡目のしっかりとした賃上げがなければ好循環は実現せず/2.27

 ・2017年

  少なくとも今年(16年)並みの水準の賃上げを期待したい/2.34

 ・2018年

  賃上げはもはや社会的要請。3%が実現するよう期待したい/2.53

 ※賃上げ率は経団連集計の大手企業妥結結果で、定期昇給とベアを含む

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