【書評】『奇跡の本屋をつくりたい』久住邦晴・著 本に対する著者の思いつづる


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 「中学生はこれを読め!」フェアで知られる札幌市の書店、くすみ書房の店主が、昨年8月に66歳で他界するまで書き留めていた遺稿を基に書籍化。多くの人、特に若い人たちに本に親しんでもらいたいと切に願う著者の思いが、壮絶な人生とともにつづられている。

 中でも売り上げが落ち込み、閉店を決意したまさにその時期に長男を亡くし、「息子のせいにはできない」と一念発起。「売れない文庫フェア」で話題を呼ぶくだりはぐっと胸に迫る。「本にはすべての答えがある」と説く著者の遺志が次の世代へと受け継がれていくことが、何よりの供養だろう。(ミシマ社、1500円+税)