日本いけばな療法学会設立へ 花セラピー広める

認知症グループホームでいけばな療法を実践する浜崎英子さん。参加者は「楽しい時間」と口を揃えた=京都市(加納裕子撮影)
認知症グループホームでいけばな療法を実践する浜崎英子さん。参加者は「楽しい時間」と口を揃えた=京都市(加納裕子撮影)【拡大】

 生け花やフラワーアレンジメントなど、花を活用したセラピーを認知症高齢者の非薬物療法として確立させるとともに、こうした人たちが花を通じて地域との結びつきを深めることを目指す「日本いけばな療法学会」が来年、設立される。2月10日に同志社大学で設立総会を開き、広く賛同を呼びかける。

 学会の副理事長に就任する浜崎英子さん(53)は華道の一流派である「華道本能寺」の家元華務職を務めるかたわら、同志社大学大学院で心理学を研究。平成19年から華道と心理学を融合したプログラムを開発し、延べ3万人を対象に実践してきた。

 花は見た目も美しく、香りも良い上、安心感や希望、ぬくもり、愛情、受容といったイメージがある。浜崎さんらの研究では、生け花によって認知症の高齢者本人だけでなく介護者のストレスが軽減したり、子供の自己肯定感が向上したりする効果を確認。29年4月に京都で行われた「国際アルツハイマー病協会国際会議」でも発表し、国際的な注目を集めた。

 学会では、花を使ったセラピーの医学的な効果の研究を進めるとともに、認知症の人が手がけた生け花を街に飾るなど、地域とのつながりを作る取り組みを全国に広げていく。浜崎さんは「認知症の人や引きこもりの人などが社会とつながるきっかけにもなる。流派にこだわらず、花に関わるさまざまな分野からの参加を呼びかけたい」と語る。

 代表理事長に就任する同志社大学大学院総合政策科学研究科の新川達郎教授(ソーシャル・イノベーション)は「いけばな療法を中心に市民と専門家、研究機関が分野を超えて連携することで、地域の絆づくりにもつながる」。副理事長となる前神戸大学医学部教授で日本血管内治療学会の岡田昌義理事長は「医学と生け花の連携はこれまでになく、画期的な取り組みになる」と話している。