「40代は転職できない説」は本当? 企業が求めるのはどんな人? 人材のプロに聞きました (2/3ページ)

 “ジョブホッパー”は苦戦する傾向に

 一方、こうした秀でたスキルを持つ層を除けば、転職に苦戦する40代は少なくない。

 天野氏は「本人の希望と、転職市場での市場価値にギャップがある人は転職が難しい。ITエンジニアなど、転職回数が多くても許容される職種を除いては、すでに3~4回の転職を経験している人も『厳しい』と判断されるケースが多い。募集の段階で転職回数に制限を設けている企業もある」と指摘する。

 他の世代にも共通して当てはまることだが、40代も現職企業での在籍期間が短い人、転職動機が「なんとなく」など不明確な人、転職理由が「人間関係の不満」などネガティブな人、会話が苦手な人、ブランク(無職期間)が長い人--などは転職が決まりにくいそうだ。

転職が難しい人の特徴(出典:エン・ジャパン)

転職が難しい人の特徴(出典:エン・ジャパン)

 年収アップに成功した40代は約4割

 また、18年に転職が決まった40代のうち、年収アップ(+5%以上)を実現できた人は38%。残る22%は年収ダウン(-5%以上)、40%は横ばいだった。

 天野氏によると、年収アップを実現できた人は「(経営者候補やAI人材の他には)専門性と語学力を併せ持つ、グローバルに通用する人材に多かった」という。「日系企業は外資系企業と比較して給与水準が低いため、日系から外資に転職できた人は年収が上がりやすい。また、グローバルでの競争に置かれる日系企業も、外資の水準を意識した賃金の上昇がみられる」と分析する。

「前の会社はこうだった」はNG