働き方激変…副業解禁は、企業と社員の双方にどのような影響をもたらすのか (1/3ページ)

 最近、副業を解禁する企業が増えています。副業解禁は、企業と社員の双方にどのような影響をもたらすでしょうか。

 一口に副業と言っても、コンビニなどでのアルバイトから起業まで、さまざまな種類があります。そこで、収入とケイパビリティの2つの軸で分類すると、図のように表すことができます。なお、ケイパビリティとは「何かを遂行できる能力」のことで、ここでは副業を通じて身につく個人のスキルや外部とのネットワークを指します。

 「伏業」は、会社に伏せて行う内職やアルバイトなどの仕事です。残業の削減・禁止の流れが進む中、経済的事情でこの種の副業をせざるをえないケースもあります。時給換算すると、会社の残業代より少ないことも多く、ケイパビリティも高まりません。

 「副業」は、昔から行われてきた、本業の収入を補完するための「副業(Side jobs)」です。コンビニ・外食産業の店員や警備員などが該当します。単価は高くないため、一定の収入を得るには、時間や回数を稼ぐ必要があります。

 「幅業」は、ボランティア活動やNPO活動などです。仕事で培った専門性を社会や公共のために生かす「プロボノ」は、その代表例です。収入は多くを期待できませんが、人間の幅やスキルの幅を広げます。

 「複業」は、収入も多く、ケイパビリティも高まる仕事です。新しい事業の起業などが該当します。本業に加えて新たな業を持つことから、「複業」と呼びます。複業を行うには、高いスキルが求められるため、長い期間をかけた準備が必要です。

 副業を解禁する理由は企業によってさまざまだと思いますが、取材した企業の多くに共通していたのは、人材育成と新規事業開発が目的でした。幅業や副業を通じて、新規事業開発を担えるような人材を、社外の環境下で育成しようという考えです。

 経営環境がめまぐるしく変化する中で、多くの企業において新規事業開発は必要とされています。新規事業開発とは、言わば1つの事業を起こして経営することですから、その能力を座学や社内の仕事だけで身につけることには限界があります。一方、副業をやってみると、自分が1人で、あるいは社長として、営業もキャッシュマネジメントも含めたあらゆる面に対処しなければならないため、新規事業開発に必要な要素を実地で学ぶことができます。また、法務や税務などのように自分で対処しきれないことは、専門家と組んで行う必要も出てきます。企業は、副業によって得られるこうした人材育成効果に期待しているのです。

なぜロート製薬は、いち早く解禁したのか