眠れない、起きるのがつらい、食欲がない、疲れやすくなった、他人の視線が怖い……。いま、こんな状態の方はいるだろうか。これらは、一般にうつ病の予兆と言われている。
２０１７年、世界保健機関（ＷＨＯ）が公表した統計によると、世界のうつ病患者は約３億２２００万人にのぼる。これは全人口の４％超。国内の患者調査によれば、うつ病を含む気分障害の患者は１１０万人を超えている。ちなみに、がん患者数は約１０１万人（国立がん研究センター）なので、がんを上回る罹患者がいることになる。
もはや、「うつ病は現代病」と呼んでもいい時代だ。
▼「認知行動療法」をオンラインで
うつ病は、クリニックを受診して、投薬やカウンセリングによって治療を進めていくのが標準的だが、仕事が忙しい方や、子育て、家族の介護などに追われている方は、定期的に通院するのが困難なケースも少なくない。
うつ病の治療や予防に効果があるＳＮＳ「Ｕ２ｐｌｕｓ（ユーツープラス）」。当事者同士が励まし合い回復を目指す。利用は無料
海外では、うつ病の治療として「認知行動療法」という心理療法がメジャーになっているのをご存知だろうか。「認知」とは、考え方や事実の捉え方のことだが、あるできごとに対する考え方が極端に狭くなることで、不安や落ち込みから抜け出せなくなってしまうのが、うつ病の初期症状。それを良い循環へと変化をさせていく手助けとなるのが、認知行動療法である。
この認知行動療法をオンラインによって受けることができるサービスがある。Ｕ２ｐｌｕｓ（ユーツープラス）は、匿名性のＳＮＳで、うつ病を抱えるユーザー同士が励まし合い、支え合うことで、回復を目指すサービスである。軽度から中程度の患者さんを対象としており、利用料は無料になっている。
主な機能は３つある。
