励まし合い支え合い、回復を目指す! うつ病支援のSNS (2/3ページ)

 うつ病になると、できないことに目を向けがちになるが、逆の視点で、できたこと(Can)、楽しめたこと(Fun)を記録していく。これが「FunCan」というページだ。たとえば「洗濯をしました」「今日は外に出られました」「料理を作って食べました」といった“できたこと”を投稿。これに他のユーザーが「いいね!」をクリックして、応援していくシステムだ。できたこと、楽しめたことを記録し習慣づけることで、自分の可能性を探すようになるという。

 ▼サイクルに気づくための「地図」を作る

 2番目が「U2サイクル」。ひとつのできごとから、どのようにして気分や体調が悪くなるのかを、あえて可視化するページだ。思考のパターンを客観的に知り、自分のうつ病のサイクルに気づくための「地図」を作っていく。うつ病になると、どうしても自分の思考に入り込んでしまい、まわりが見えなくなる。そういう時に、書いて言葉にしていくことで視野を転換でき、客観視できるようになる。

「U2サイクル」は自分の思考パターンを客観的に知り、うつ病のサイクルに気づくための「地図」を作っていく

「U2サイクル」は自分の思考パターンを客観的に知り、うつ病のサイクルに気づくための「地図」を作っていく

 そして「コラム」は、つらい気分のときに、別の見方、考え方を探す練習をする場所。つらい感情の内側を書くことで、一歩引いて冷静に状況を振り返るようになる。これらの書き込みはユーザー同士で共有されるが、非公開にすることも可能だ。

 オンラインで認知行動療法を行う意義はどこにあるのだろうか。U2plusを運営する株式会社cotree 代表取締役 櫻本真理さんに取材した。同社は、オンラインカウンセリングなど、ITを活用してメンタルヘルス事業を専門に行うベンチャー企業である。

 「認知行動療法はITとの相性が良く、オンラインでの効果が大きいと、海外でエビデンス(証拠)が出ています。海外ではセラピストの支援を受けて、認知行動療法を行うのが一般的です。でも、日本では臨床心理士がまだ少なく、実際にクリニックで行っているところも少ないのが現状です。U2plusはオンラインなのでいつでもどこでも使えますし、通院に比べて精神的な障壁が低い。ユーザーは匿名ですので、知らない人に対して自分の状態をさらけ出すことも、患者さんがラクになる効果があります」(櫻本さん)

入力頻度が高い人ほど、ポジティブな変化が