ローカリゼーションマップ

はなから分析モードに入るな! 「機能」の追求より、まずは「意味」の探求を (1/3ページ)

安西洋之

 【安西洋之のローカリゼーションマップ】エットーレ・ソットサスというデザイナーがいた。イタリアデザイン史を飾る巨匠の1人である。2007年に90歳で逝去した。

 一昨年終わり、ミラノのトリエンナーレ美術館で開催されたソットサスの展覧会において、「デザイン:機能的な花ってどんなもの?」とのタイトルのメモがはじめて公開された。1994年に書いたメモだ。これを読んで以来、彼の言葉が頭から離れない。今年もこれがぼくのテーマとして続く予定だ。

 そこで2019年最初のコラムは、ソットサスのメモからスタートしたい。メモは10の短いフレーズから成り立っているが、最後のフレーズは下記だ。

 「機能主義」「機能」「機能的」は20世紀初めの熱気に満ちた時代に刻まれた言葉だった。すべては理性だけで解決されると見られた。

若くて、はちきれんばかりの愛する人に花を贈りたいとき、合理性をどう使ってよいか分からない、というのが実は問題だ。機能的な花って、どんなものなのか?

 ソットサスが70代後半の時の言葉だ。彼は59歳の時に30年下の女性と一緒になったのだが、その時の「いい年の経験豊富な俺が、花束1つ選ぶに頭が真っ白になる」状況を思い起こしたはずだ。

 実は上記フレーズの前には、「オリベッティのデザインは難しかったに違いないと他人に言われたが、メンフィスのためのデザインはもっと難しかった」とある。

 ソットサスは1950年代後半から1960年代にかけ、オリベッティのオフィス家具やタイプライターなど事務機器をデザインした。それらの機能的製品はイタリアデザイン史の本に必ず紹介される定番である。

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