あおり運転、する人の脳回路と復讐願望 道路は欲求を満たす「舞台」だったのか (1/4ページ)

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 「あおり運転」事故で危険運転致死傷などに問われた石橋和歩被告に対し、横浜地方裁判所は昨年12月14日、懲役18年を言い渡した。精神科医の片田珠美氏は「『あおり運転』をする人には、衝動制御障害、思考停止の状態、想像力の欠如が認められ、自己顕示欲と承認欲求が強い。また、危険な運転で味わった快感を忘れられず、依存症に陥っている可能性もある」と語る。あおり運転が多発する心理的メカニズムとは--。

 精神科医があおり運転する人の「やられたら、やり返す」を分析

 2017年6月に起きた東名高速道路の「あおり運転」事故で、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)などに問われた石橋和歩被告に対し、横浜地方裁判所は昨年12月14日、懲役18年(求刑・懲役23年)の判決を言い渡した。

 裁判長は、駐車方法を非難されて腹を立てたことが動機になったとして、「常軌を逸している」と述べた。たしかに、それくらいのことで腹を立て、「あおり運転」を4回も繰り返し、追い越し車線で停止させて結局2人を死亡させるのは、誘因と反応が不釣り合いな印象を受ける。

 このように誘因と反応が不釣り合いなのは、多くの「あおり運転」に共通している。「あおり運転」をする側からすれば、急に前に割り込まれたとか、脇道から不意に車が出てきたというきっかけがあるのだろうが、そのせいでヒヤリとしたり、イライラしたり、ムカッとしたりしても、たいていの人は「ビックリした」「怖かった」などと思う程度で終わるだろう。

 仕返ししたいという復讐願望を満たそうとする心理

 ところが、なかにはそれだけではすまず、頭に血が上ってしまう人がいる。そういう人は、カッとなりやすく、「やられたら、やり返す」をモットーにしていることが多い。だから、クラクションを鳴らして威嚇したり、前方の車との車間距離を極端に詰めたりする攻撃的な行動によって、仕返ししたいという復讐願望を満たそうとする。

浮かび上がる3つの要因