あおり運転、する人の脳回路と復讐願望 道路は欲求を満たす「舞台」だったのか (2/4ページ)

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Chesky_W)
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 こうした攻撃的な行動を目の当たりにすると、「それくらいのことで、どうしてそこまで過激なことをするのか?」という疑問を抱く方が多いはずだ。つまり、「あおり運転」の本質は過剰反応にあるといえる。そこで、なぜ過剰反応するのかについて精神医学的視点から分析すると、次の3つの要因が浮かび上がる。

 (1)衝動制御障害

 (2)思考停止

 (3)想像力の欠如

 それぞれの要因について解説しよう。

 車の中という「匿名性と安心感」が過激化に拍車

 (1)衝動制御障害

 過剰反応する人の多くは衝動コントロールができない。怒りや攻撃衝動をうまく制御できないので、ちょっとしたことで怒り出したり、手を上げたりする。そのため、しばしば「キレやすい人」「かんしゃく持ち」などと周囲から言われている。

 こうした衝動制御障害に、運転中は拍車がかかる。これは、車に乗ることによって匿名性と安心感を得られると本人が思い込むからだ。似たような車がたくさん走っていて、ちょっと見ただけでは区別しにくいので、少々乱暴なことをしても特定されないだろうと考える。

 もっとも、実際には簡単に特定される。すべての車にナンバープレートがついているし、最近はドライブレコーダーを装備した車も増えているからだ。それでも、車に乗ることによって匿名性を獲得できると勘違いする。

 また、車は鉄の塊なので、それに乗っていると守られているという安心感もある。とくに大きな車に乗っていると、この安心感が強くなる。そのため、車間距離を詰めたり、直前に割り込んだりしても、自分は大丈夫と思い込みやすい。

 このように、車に乗ることによって匿名性と安心感を得られると本人が思い込むことは、「あおり運転」の重要な要因である。というのも、普段は怒りや攻撃衝動を何とか制御できている人でも、運転中は匿名性と安心感によって過激な行動に走ることがあるからだ。「運転中は人が変わる」と言われるのは、このタイプに多い。

大きな車や高級車に乗ると…