ヘルスケア

あおり運転、する人の脳回路と復讐願望 道路は欲求を満たす「舞台」だったのか (3/4ページ)

 大きな車や高級車に乗ると優越感や特権意識を抱きやすい

 (2)思考停止

 カッとして頭に血が上ると、仕返しすることしか考えられなくなり、思考停止に陥る。客観的にはどうであれ、少なくとも本人は「あの車のせいで邪魔された」「あの車が割り込んだせいで遅くなった」などと被害者意識を抱き、それから生じる怒りと復讐願望を募らせるからだ。

 とくに大きな車や高級車に乗っていると、優越感や特権意識を抱きやすい。だから、「自分はこんなにいい車に乗っているのだから、特別扱いしてもらって当然のはずなのに、邪魔しやがって」と腹を立てる。その結果、自分の車の走行の邪魔をしたとみなす車に怖い思いをさせて、「自分の車はこんなにすごいんだ」ということを思い知らせようとする。つまり、「なめるな!」というメッセージを送って、自分の優位性を誇示したいのである。

 (3)想像力の欠如

 石橋被告が、被害者の車を追い越し車線で停車させたのは、こういうことをするとどのような結果を招くかということに考えが及ばなかったからだろう。追突事故が起こりうる可能性を想像できなかったからこそ死傷事故を引き起こしたわけだが、このような想像力の欠如は「あおり運転」にしばしば認められる。

 車間距離を極端に詰めたり、直前に割り込んだりすれば、事故を起こす可能性があるのに、その可能性を想像できない。また、相手の車が恐怖を感じて警察に通報すれば、逮捕される可能性もあるのだが、そのことにも想像力が及ばない。平たくいえば「何も考えてない」わけで、だからこそ「あおり運転」という無謀な行為に走るのだともいえる。

 道路は、自己顕示欲・承認欲求を満たす「最高の舞台」

 2自己顕示欲と承認欲求

 石橋被告は、2017年6月の東名高速での「あおり運転」事故だけでなく、山口県での交通トラブルをめぐる強要未遂罪2件、器物損壊罪1件にも問われ、あわせて懲役18年を言い渡された。彼に限らず、「あおり運転」をさまざまな道路で繰り返すケースが多い印象を受ける。

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