ビジネストラブル撃退道

納期、サバ読んでるでしょ? 「締切」破る側と破られる側、納品遅延はこう回避! (2/4ページ)

中川淳一郎

 この「締切破りを連絡できない」件については、フリーランス仲間の間では「あるある」話である。しかし、全員が口を揃えて事前に伝えることがたまらなくイヤだ、と述べていた。半分ぐらいの人間は意を決して事前連絡はするものの、残りの半分は「耐え切れなくなって電話をしてくるまではダマテンを決め通す。メールでの催促の場合は「そこまで逼迫していないんだな」と自己流の謎解釈をし、無視をする。あとは、「1月21日締切」と言われた場合、締め切りは「1月22日の10時頃」という意味だと周囲の多くの人は解釈していた。勝手に「1月22日、発注主の会社の始業時間にあればいい」という解釈をするのだ。それがヒドくなると、「会社に着いてからはしばらくは忙しいから昼休みまでにあればいい」とどんどん基準が緩くなっていく。

発注側の論理を知っておく

 結果的にこの締切破りにより仕事を切られてしまう場合などもあるわけだが、発注側の論理は当然知っておいて良いだろう。それは「遅れるのであれば、事前に言ってほしい。こちらはその時にあなたが納品してくれることを前提にその後の工程を組んでしまっているのだから、できないのであれば、できないと正直に言って欲しいのだ」というものだ。

 その一方、締切を破る側にも言い分はある。それは、月刊誌の編集に顕著なのだが、スケジュールがあまりにも前倒しし過ぎているのだ。28日発売の雑誌があった場合、企画会議が1日頃ある。すると編集者は「今回の初稿は8日には欲しい」と言う。私のようなフリーライターはそこから5日以内に取材相手のアポをすべて取り、2日で原稿をすべて書く、というものを強いられる。

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