子供の金銭教育でひと工夫 小遣いに「家庭内バイト」をプラス (2/2ページ)

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  • 中村家の小遣い帳は、バインダーに手製のシートを挟むスタイル。ノートを広げる手間がないのが男子には好評という

 中村さんは「お金を渡すとき、必ず『助かった、ありがとう』と言うようにしています。家族の一員として仕事をした達成感もあり、小遣いでは感じられない『ありがとう』の受け渡しができる貴重な機会になっています」と話す。

 保護者に感謝

 小遣い以外にも、子供にお金や仕事の大切さを教える取り組みはある。消費者金融の「SMBCコンシューマーファイナンス」では全国で、小学生向けにカードゲームを使った講座を開き、お金の成り立ちや役割を教えている。

 昨年8月、大阪府八尾市の小学校で約30人を対象に開いた講座では、「山」「海」「畑」など5チームに分かれ、物々交換をしながらパンや服の材料を集めるゲームに挑戦。1度ゲームを経験し、次の2回目には、何にでも交換できる「米」が使えるようになる。しかし「大切だから、むやみには使えない」と取っておこうとする子供が多く、自然と、何にでも交換できるお金の便利さや大切さを感じられるという。

 さらに、お金には(1)交換する役割(2)価値を表す役割(3)価値を蓄える役割-があることを教え、保護者がどんな仕事でお金を稼いでいるかも考えてもらう。お金の大切さに加え、勤労や親への感謝も促す内容だ。

 講座を担当した同社なんばお客様サービスプラザ(大阪市)の亀田豊プラザ長(49)は「もう少し大きくなれば、インターネットやクレジットカード決済のトラブルにあわないよう啓発を行いますが、小学生にはまず、お金の大切さや、誰がどうやって稼いでいるかを知ってほしい」。小遣いを渡していなくても、買い物などさまざまな機会にお金について伝えることが大切だという。

                   

 小遣い 小学1~3年は月500円未満

 東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子どもの生活と学びに関する親子調査2017」によると、お小遣いの金額を決めて渡している保護者は小学1~3年で14.4%、高校生で58.2%。「金額を決めていないが渡している」保護者も多かった。

 金額を決めていない保護者も含めたお小遣いの月額をみると、小学1~3年は500円未満、小学4~6年は500~1000円未満、中学生は1000~2000円未満の比率がそれぞれ高かった。

 調査は平成29年7~9月、全国の小1~高3年の子供の保護者1万5389人を対象に実施した。