求められる正確な情報提供 新型出生前診断拡大で (1/2ページ)

「新出生前診断」について要件緩和案を理事会で了承後、記者会見する日本産科婦人科学会の幹部ら=2日午後、東京都中央区
「新出生前診断」について要件緩和案を理事会で了承後、記者会見する日本産科婦人科学会の幹部ら=2日午後、東京都中央区【拡大】

 妊婦の血液でダウン症などの胎児の染色体異常を調べる「新型出生前診断」の条件が大幅に緩和された。検査できる施設を全国各地に拡大する狙いは、認可外の施設での検査が増えているため、不十分な診断でいたずらに中絶を選択する妊婦を減らすことにある。しかし、この検査自体が障害を持つ人を差別したり、命に優劣をつける考えを広めたりしないか、懸念が完全に払拭できていない。医療技術の急速な進歩が、新たな倫理的課題を生み出している。

 出生前診断の主な目的は、病気を持った新生児を早期に治療に移すためのものだった。腹に針を刺す羊水穿刺(せんし)は、もともと「治療」に用いられていたが、「検査」に変更。採血だけの新しい診断技術に発展し、ブラックボックスだった胎児の状況が容易に分かるようになった。

 新型診断の拡大に対し、障害者の自立を支援しているNPO法人「アール・ド・ヴィーヴル」の萩原美由紀理事長は「障害が判明したから『産まない』といった安易な考え方につながるのではないか。命を選別するものではなく、生まれてくる子の成長をどう支えていくかを考えるものであってほしい」と語る。障害者も豊かに生きることができ、家族などを支える環境整備を望んでいるのだ。

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