【書評】『私の先祖 明智光秀』細川珠生・著 子孫の口伝から人物像に迫る


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 明智光秀。この戦国時代の武将の名を口にしたとき、どんな人物像を思い浮かべるだろうか。本能寺の変で主君・織田信長を討った逆賊のイメージが強いかもしれない。

 筆者は光秀の娘・細川ガラシャ直系の子孫。細川家では代々、光秀は「正義の人」と伝えられてきたという。本能寺の変も信長のような乱暴者から国を守るための正義の戦いだった。

 一族に継承される書物や口伝から改めて迫る実像は、歴史上の勝者目線で悪名高き存在として描かれる光秀像とは大きく異なる。

 NHK大河ドラマの次回作は光秀が主人公。にわかに光秀への関心が高まっている。(宝島社、1480円+税)